長野県千曲市の日帰り温泉施設「湯のさとちくま白鳥園」が、2026年8月1日にリニューアルオープンする。運営する互恵株式会社(本社・長野市)は、温泉を核としながら子どもから高齢者まで三世代が一日を通じて過ごせる交流拠点を目指す。今回の刷新では、屋内運動施設やカフェ、憩いのラウンジを新設し、温浴施設という枠を超えた地域の居場所づくりに踏み込んだ。
白鳥園は昭和35年の開業以来、地元住民に親しまれてきた歴史ある施設である。平成27年のリニューアルを経て、今回さらに機能を拡張し、「遊ぶ・動く」「憩う」「くつろぐ」「味わう」「つながる」の五つの過ごし方を軸に館内を再構成する。天候や季節に左右されず家族で楽しめる場所として、地域からの需要を取り込む狙いがうかがえる。

1階に運動遊びとカフェが誕生
1階には、子どもの運動遊びと大人のフィットネスを組み合わせた屋内交流施設「FITNESS PARK(フィットネスパーク)」が新設される。運動あそび体験は8月15日、フィットネスエリアは8月22日にそれぞれオープンする予定だ。保護者が子どもを見守りながら自身も体を動かせる設計にしており、雨天や猛暑でも利用できる全天候型の施設として、地域の健康づくりの拠点となることが期待される。
同じく1階には、ドリンクや軽食、スイーツを提供するカフェスペース「PS.Beep(ピーエス・ビープ)」も8月1日にオープンする。テラス席を設けるほか、テイクアウトメニューも順次そろえる計画だ。入浴前後の一服はもちろん、公園帰りやお出かけ途中の休憩スポットとしても使えそうだ。オープン初日と翌2日には地元菓子店の商品も販売される。

天然温泉とサウナ、2階ラウンジも刷新
白鳥園の核である温泉は、肌当たりの柔らかいアルカリ性単純温泉だ。源泉かけ流しの露天風呂や広い内風呂に加え、寝湯やつぼ湯、地下水かけ流しの水風呂まで多彩な温浴設備をそろえる。小さな子ども連れや介助が必要な人でも安心して入浴できる福祉風呂も備えており、幅広い世代への配慮がうかがえる。木のぬくもりを感じられるサウナも、心身をリフレッシュする場として館内に用意されている。
2階には新たに「湯あがりラウンジ」を整備し、フリーWi-Fiを完備した。カードゲームや雑誌、レトロゲームなどを置き、湯上がりの時間をゆったり過ごせるようにする。フロアには長年親しまれてきた「曲面鏡」をあえて残し、施設の歴史を感じられる空間に仕上げた。フロントにはキャッシュレス端末も導入し、入浴券や農産物の購入がより手軽になる。

地域の味を集めた食堂と広場イベント
「湯あがり食堂」では、白鳥園名物の特製焼き鳥や信州米豚のとんかつ定食、かつ丼、地元「味噌蔵たかむら」の味噌を使った味噌ラーメンなど、地域色の濃いメニューをそろえる。店内には新たにソファ席を設け、子ども向けのプレートメニューも用意することで、家族連れが利用しやすい環境を整えた。
屋外の白鳥園広場は、地域交流の場として位置づけられている。毎月第4日曜には「白鳥園フェスタ」を開催し、子ども向けの体験イベントやワークショップ、ステージイベントを実施する予定だ。夏季には噴水を使った水遊びも催される。さらに7月31日から8月2日までは「夏休みわくわくフェスタ/信州キッチンカーナイトビールフェス」を広場で開催し、午後4時から8時30分まで来場者を迎える。

体験会と利用料金
リニューアルを記念し、8月1日と2日の10時から15時にはフィットネスパークで特別体験会がおこなわれる。跳び箱チャレンジ教室や鉄棒チャレンジ教室、ストレッチポール体験、ボクシング体験など、内容ごとに時間帯を分けて実施する構成だ。運動あそび体験はフリー時間として自由に器具を使える。
フィットネスパークの利用料金は、大人(中学生以上)が平日・土日ともに300円(税込)、子ども(1歳~小学生)は平日400円、土日・特別日は500円(いずれも税込)に設定されている。手頃な価格帯にすることで、日常的な利用のハードルを下げる狙いがあるとみられる。

施設概要・アクセス情報
湯のさとちくま白鳥園は長野県千曲市大字戸倉2254番地に位置する。電話番号は026-275-0400、休館日は毎月第2・第4火曜日だ。入浴は9時30分から21時(最終入館は20時30分)、食堂は11時から21時(ラストオーダー20時)まで営業する。館内には内湯や露天風呂、福祉風呂、サウナのほか、地域交流室や世代間交流室、多目的広場を備え、駐車場は第1・第2で200台、広場南駐車場に60台を用意する。公式サイトは https://www.hakuchoen.jp/ 、公式Instagramは https://www.instagram.com/hakuchoen/ で最新情報を確認できる。
運営会社・背景情報
運営元の互恵株式会社は2024年7月1日設立、本社は長野県長野市東和田857-1にある。代表取締役は徳安素一郎氏、資本金は500万円だ。設立と同時に観光関連事業を担う子会社を承継し、「互恵グループ」として飲食事業や観光事業を展開している。グループでは「いきなりステーキ」府中駅前店・長野高田店や、和カフェ「Tsumugi」イオンモール須坂店、炭焼牛たん「東山」イオンモール須坂店など飲食店のフランチャイズ事業も手がけており、温浴施設・宿泊施設・道の駅といった複合的な観光施設の運営を通じて地域活性化に取り組んでいるという。白鳥園は同社が指定管理者を務める施設のひとつに位置づけられている。
温泉地の概要・歴史
白鳥園が湧かすアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)は、関節リウマチや変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲や捻挫の慢性期など幅広い効能が期待される泉質だ。冷え性や末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、疲労回復や健康増進にも効くとされており、日常のこわばりや疲れをほぐす湯として親しまれてきた。
施設は昭和35年の開業から60年以上にわたり地域の湯として利用されてきた歴史を持つ。平成27年に現在の「湯のさとちくま白鳥園」として一度リニューアルを経ており、今回はそれに続く二度目の大規模刷新となる。温泉地としての機能を保ちながら、運動・食・交流の要素を重ねていく方向性は、人口減少や高齢化が進む地方の温浴施設が生き残りを図るモデルケースとしても注目されそうだ。






