
京都府宮津市の一棟貸切ヴィラ「マリントピア・ザ・スイート」に、2種類のサウナが新設された。運営する株式会社にしがき(京都府京丹後市)が2026年9月8日に発表した。天橋立と伊根町のあいだの高台に建つ全13棟のヴィラに、貸切温泉スペースの木製バレルサウナと、客室専用の薪サウナが加わった形だ。
同施設はもともと「銀温泉」「金温泉」という2種類の温泉を客室と貸切スペースに引いている。今回のサウナ導入により、温める側だけでなく冷やす側にも温泉を使う構成が整った。にしがきグループのなかでこの構成を持つのは、2026年9月時点で本施設だけだという。
貸切温泉スペースに新設した木製バレルサウナ「-SAUNA RUHE-」

新設されたサウナのひとつは、貸切温泉スペースに置かれた木製のバレルサウナ「-SAUNA RUHE-(サウナルーエ)」だ。1組ずつの完全貸切制で、全13棟に対して1日4枠のみの限定運用となる。時間枠は15時30分から16時40分、17時10分から18時20分、18時50分から20時、20時30分から21時40分の4回で、各回70分。予約はご希望の時間はご予約順にお選びいただく仕組みだ。宿泊料金とは別の有料オプションとして提供される。
室内はセルフロウリュに対応し、水ロウリュのほか、ほうじ茶ロウリュを選べる。熱した石にほうじ茶をかけると焙じた香りが室内に広がり、休憩中に飲むものと同じ茶葉を使うことで1回目と2回目で入り方の印象が変わる仕掛けになっている。サウナ利用者にはオロナミンCやポカリスエット、ほうじ茶も用意される。
汗を流したあとの水風呂には、水道水ではなく温泉「銀温泉」が張られている。弱アルカリ性・単純温泉の無色透明の湯を、そのまま冷やす側に使う点が特徴だ。休憩スペースは内気浴仕様で、窓を開けると宮津の空気が室内に入り込む。同じ貸切温泉スペースには含鉄泉「金温泉」の露天風呂もあり、サウナのあとに向かう先が水風呂も露天風呂もどちらも温泉という構成になっている。
客室「デラックススイート」1棟だけの専用薪サウナ

もうひとつの新設サウナは、客室タイプ「デラックススイート」1棟だけに備わる専用の薪サウナである。全13棟のうち専用サウナを持つのはこの1棟のみだ。室内容積は14.7立方メートル、定員は8~9名、設定温度は最大90度に達する。ウェスタンレッドシダー材に厚さ70ミリのEPS断熱材を組み合わせ、二重強化ガラスの大型窓とL字型の2段ベンチを備える。熱源には薪ストーブを採用し、輻射と対流を組み合わせた構造にした。
共用サウナが時間枠を予約して1組で入る設計であるのに対し、デラックススイートの薪サウナは棟のなかにあり、火を入れるところから滞在の一部になる。時間枠はなく、好きな時間に好きなだけ利用できる点が違いだ。デラックススイートは屋内面積109平方メートルの1棟で、直径8メートルのプライベートプールと囲炉裏も備える。定員8~9名のサウナを、その棟に泊まる同行者だけで使えるため、席を譲り合う必要がない。
温泉とサウナを組み合わせた3つの体験
マリントピア・ザ・スイートが打ち出すのは、温泉とサウナ、一棟貸切を組み合わせた3つの体験だ。まず温泉について、「銀温泉」は天然の保湿成分メタケイ酸を含む無色透明の弱アルカリ性・単純温泉で、客室では24時間いつでも入浴できる。共用サウナの水風呂に張られているのもこの銀温泉である。「金温泉」は鉄分と塩分を多く含むナトリウム-塩化物強塩泉で、空気に触れると赤褐色に色づく。貸切温泉スペースの露天風呂に引かれており、貸切時のみ利用できる。温める、冷やす、温め直すという3工程のうち2つを温泉でまかなえる点が、本施設の温浴の性格だといえる。
食事は囲炉裏プラン、シェフ付き、セルフ、BBQ、素泊まりの5スタイルから選べる。囲炉裏プランは天橋立エリアの地ガニやブリが中心で、棟の囲炉裏を囲んで火にかけながら味わう内容だ。人数や滞在目的に応じて食事の作り方を変えられる。
施設は日本三景・天橋立と、舟屋で知られる伊根町のあいだの高台に建つ。丘陵地に全13棟が点在し、1棟あたりの敷地面積は685~1,604平方メートル。ヒルトップドッグを除く客室タイプには囲炉裏があり、棟はそれぞれ独立しているため、チェックインからチェックアウトまで他の宿泊客と顔を合わせることはない。
周辺の見どころ、天橋立と伊根町
日本三景の天橋立は、幅約20~170メートル、全長約3.6キロメートルの砂州に約6,700本の松が生い茂る景勝地だ。北側の傘松公園、南側の天橋立ビューランドはどちらも一望できる展望所で、股のぞきで眺めると龍のように見えることで知られる。舟屋で知られる伊根町では、伊根湾の沿岸に約230軒の舟屋が軒を連ねる。一階が船の収納、二階が住居という造りで、漁村としては全国で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定された。湾内を約25分で周遊する遊覧船も運航している。
秋の見どころとして挙げられるのが成相寺だ。西国三十三所第28番札所の古刹で、宮津市によると紅葉の見頃は例年11月上旬から下旬という。傘松公園と天橋立ビューランドの紅葉も同じ時期に見頃を迎える。冬季限定の活ガニプラン「カニマルシェ」の宿泊開始日である11月8日は、ちょうどこの紅葉シーズンと重なる。
プラン詳細・料金・予約先

施設は6名までのルームチャージ制で宿泊できる。デラックススイートを選べば、定員8~9名の専用サウナを同行者だけで使える利点がある。食事は囲炉裏、シェフ付き、セルフ、BBQ、素泊まりの5スタイルから選択可能だ。冬季には活ガニプラン「カニマルシェ」が用意されており、宿泊期間は2026年11月8日から2027年3月20日まで。間人・津居山・柴山・香住・浜坂の5漁港から届く活ガニを、貸し切った棟の客室で味わえる。刺身、焼き、茹で、鍋、味噌雑炊と、杯数に応じて食べ方を組み合わせられる仕組みだ。貸切サウナの枠は15時30分から始まるため、到着後すぐの回で汗を流せば、そのあとは囲炉裏の前から動く用事がなくなる。予約とプランの詳細は「カニマルシェ」公式サイトに掲載されている。
サウナ好きの利用者には、水ロウリュとほうじ茶ロウリュ、水風呂の銀温泉、露天風呂の金温泉、デラックススイートの薪サウナと、1回の滞在で熱と水と湯の組み合わせを変えながら楽しめる点が魅力になるだろう。囲炉裏の食事を目当てにする利用者には、サウナと温泉のあいだに火を囲む時間を挟める構成が向く。全室バリアフリーの1LDK構造でベッドルームに加え畳スペースも備えるため、三世代旅行にも対応しやすい。愛犬と泊まれる客室タイプもあり、専用のプライベートガーデンはドッグランとして使える。
施設概要・アクセス情報
マリントピア・ザ・スイート(MARINETOPIA THE SUITE)は、京都府宮津市日置3700-6に所在する一棟貸切のオールスイートヴィラで、全13棟からなる。温泉は銀温泉と金温泉の2種で、金温泉は貸切温泉スペースの露天風呂に引かれている。共用サウナ「-SAUNA RUHE-(サウナルーエ)」は木製バレルサウナで完全貸切制、1日4枠・各70分の運用だ。客室専用サウナはデラックススイート1棟のみに備わる薪サウナで、定員8~9名、最大90度まで設定できる。食事は囲炉裏、シェフ付き、セルフ、BBQ、素泊まりの5スタイルに対応し、冬季には活ガニプラン「カニマルシェ」も用意される。公式サイトは https://www.marinetopia-suite.com/ で、カニマルシェの予約情報は https://www.kani-house.com/ に掲載されている。
運営会社・背景情報
マリントピア・ザ・スイートを運営するのは、京都府京丹後市に本社を置く株式会社にしがき(代表取締役・西垣俊平)だ。同社は天橋立・宮津エリアで複数の一棟貸切ヴィラを運営している。同じエリアの一棟貸切ヴィラでも冷やす側の設えは施設ごとに異なり、「オーベルジュヴィラ久遠」はサウナの目の前にプライベートプールを、「日置浜ヴィラ」はジャグジー風呂を配置しているという。冷やす側に何を置くかでサウナのあとの過ごし方が変わるため、各施設が異なる答えを出している格好だ。
温泉を水風呂に用いる発想は、サウナブームが定着した近年、全国の宿泊施設で徐々に広がりを見せている構成のひとつだ。マリントピア・ザ・スイートは、2種の温泉と一棟貸切という既存の強みに、性格の異なる2つのサウナを重ねることで、温浴体験の幅をさらに広げた形といえるだろう。





