三重県菰野町の複合温泉リゾート「アクアイグニス」を運営する株式会社アクアイグニスは、2026年10月28日、施設内に車中泊施設「RVパーク アクアイグニス湯の山」をオープンした。愛知県愛西市の有限会社キットカッターとともに整備し、一般社団法人日本RV協会の認定を受けている。紅葉シーズンの開業に合わせ、宿泊の選択肢を広げる狙いだ。
場所はアクアイグニスのP1駐車場の一画である。プライベートサイト10区画とフリーサイト20区画の計30区画を用意し、Wi-Fiや共用トイレを備える。源泉かけ流しの「片岡温泉」に入れるのが最大の特色だ。

温泉施設の駐車場に誕生したRVパーク
RVパークとは、一般社団法人日本RV協会が定める条件を満たした車中泊施設のことだ。安全に有料で車中泊できる場として、キャンピングカー利用者を中心に需要が高まっている。
三重県菰野町のRVパークは、湯の山温泉駅前の無人RVパークに続いて2例目となる。アクアイグニスはかねて車中泊で訪れる客を受け入れてきた。近年は電源の有無やキャンピングカーでの利用に関する問い合わせが増えたという。
そこで駐車場の一画にゆとりのある区画を設けた。Wi-Fi環境や電源設備を整え、車中泊をより快適にできるようにした。従来の「駐車場に停めて泊まる」形から、設備の整った専用サイトへ移る格好だ。

プライベートサイトとフリーサイトの違い
区画は2種類ある。プライベートサイトは10区画、フリーサイトは20区画だ。電源が使えるのはプライベートサイトのみである。
プライベートサイトにはEV車の充電に使える200Vの充電用コンセントも設けられている。電気自動車やキャンピングカーで訪れる利用者にとって、電源の有無は宿泊先を選ぶ大きな条件になる。
チェックインは14時から22時まで、チェックアウトは11時までだ。付帯サービスはWi-Fi、共用トイレ、ゴミ処分、バスタオル付きの入浴パスである。ゴミ処分費は45リットルのゴミ袋限定で1枚500円。入浴パスは大人1,000円、小人500円となっている。

利用料金と予約方法
利用料金は曜日や時期で変わり、プライベートサイトのほうが高い。1区画あたりの料金は次のとおりだ。
区分 | プライベートサイト | フリーサイト |
|---|---|---|
平日 | 7,000円 | 3,500円 |
日曜日 | 8,000円 | 4,000円 |
金曜日・祝前日 | 9,000円 | 4,500円 |
土曜日 | 10,000円 | 5,000円 |
3連休以上の初日から最終日前日 | 11,000円 | 5,500円 |
トップ | 12,000円 | 6,000円 |
予約は専用サイトで受け付ける。URLは https://rvpark-aquaignis.snack.chillnn.com である。当日の受付は、片岡温泉のフロントで申し出る。
平日のプライベートサイトは7,000円、フリーサイトは3,500円と、土曜日の7割程度の設定だ。日程に余裕がある人には、平日利用が費用を抑える手段になる。

源泉かけ流しの片岡温泉で車中泊後も湯浴み
RVパークの魅力は、同じ敷地の片岡温泉を使える点にある。アクアイグニスの施設内にあり、源泉かけ流しの温泉が24時まで営業している。車中泊でありながら、湯船でゆったり過ごせる。
アクアイグニスの公式サイトによると、片岡温泉は地下1200mの源泉井戸から湧き出る湯の山温泉の湯を使う。加水も加温も循環もしない源泉100%かけ流しだ。公式サイトでは、アルカリ性単純温泉の湯で肌がすべすべになると紹介されている。
RVパークの利用者向けには、バスタオル付きの入浴パスがある。大人1,000円、小人500円で、チェックイン後の夜も、翌朝のチェックアウト前も、湯を楽しめる計算になる。
アクアイグニスの公式サイトによると、片岡温泉の営業時間は24時まで営業している。チェックイン前に早めに到着して朝の湯を楽しむことも、チェックアウト後に立ち寄ることもできる。車中泊の前後に入浴時間を取りやすい点は、温泉併設のRVパークならではだ。

著名シェフのグルメも楽しめる館内
アクアイグニスは温泉だけの施設ではない。館内には、パティシエ辻口博啓のケーキやパン、地産地消で知られる奥田政行のイタリアン、日本料理人・笠原将弘の和食がそろう。辻口博啓の店は、三重県で唯一「食べログ百名店2026」に選ばれている。
写真のベーカリー「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」は朝8時から営業している。車中泊の朝食を、焼きたてのパンで済ませる使い方もできそうだ。カフェタイムには、色鮮やかなコンフィチュール アッシュのケーキが並ぶ。
夕食は奥田政行のイタリアン「イル・ケッチァーノ ミエーレ」の大人様プレートなどが選択肢になる。リリースは「いつもの車中泊とは異なる過ごし方」を打ち出している。自炊中心の車中泊に、外食の楽しみを加える提案だ。

施設概要とアクセス
所在地は三重県三重郡菰野町菰野4800-1、アクアイグニスのP1駐車場である。オープン日は2026年10月28日だ。問い合わせ先の電話番号は059-394-7733、公式サイトは https://aquaignis.jp/ となっている。
公式サイトのアクセス案内によると、近鉄湯の山線の湯の山温泉駅から路線バス「アクアイグニス」行きで約3分。駅から徒歩なら約8分という案内もある。車の場合は新名神高速道路の菰野ICから約5分とされている。
キャンピングカーなど大型車の乗り入れ条件は、リリースに書かれていない。大きな車両で訪れる人は、予約時に専用サイトで区画の条件を確かめたい。
宿泊は専用サイトでの事前予約が基本である。紅葉シーズンは週末を中心に混み合うことが見込まれる。希望日が決まっている人は、早めに空き状況を確認しておきたい。区画数は計30と限られており、フリーサイトとプライベートサイトでは料金と設備が異なる。電源が必要かどうかで、選ぶ区画が決まる。

運営会社と湯の山温泉の背景
アクアイグニスは、世界的に著名なシェフによるレストランや、国内外のクリエイターがデザインする宿泊施設などを手がける複合温泉リゾートの開発・運営会社だ。2012年に三重県菰野町で「癒し」と「食」をテーマにした複合温泉リゾートを開業した。2021年には三重県多気町に、日本最大級の商業リゾートVISONを開いている。
共同事業者の有限会社キットカッターは、愛知県の企業だ。平成6年5月に創業し、リング状滑り止め工法の「ケーズル工法」などの自社特許工法や、カッター工事を手がけている。
湯の山温泉は、菰野町の湯の山温泉協会や町の公式サイトによると、泉質がアルカリ性ラジウム泉である。無色透明で、古くから「美人の湯」と呼ばれてきた。神経痛や外傷、皮膚病への効果も紹介されている。
湯の山温泉の歴史は古い。菰野町周辺の温泉紹介によると、浄薫和尚の夢枕に薬師如来が立ったお告げで開湯したと伝わる。2018年には開湯1300年を迎えたと紹介されている。鈴鹿山脈の麓に広がる温泉地で、秋は山の紅葉と湯を合わせて楽しめる。
今回の取り組みの背景には、車中泊やキャンピングカー旅行の広がりがある。リリースによると、アクアイグニスにはRVパークの開設前から車中泊の客が多く訪れていた。電源やキャンピングカーに関する問い合わせも増えている。そこで正式な認定施設とし、受け入れ体制を整えた形だ。
紅葉の時期に温泉地を訪れ、そのまま車で泊まる旅は、宿泊費を抑えながら温泉を楽しめる選択肢だ。アクアイグニスのRVパークは、車中泊の需要に応える新たな受け皿として注目される。








