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星野リゾート「界」が全施設で「界の温泉名刺」12月1日から提供、10泉質を擬人化して湯の個性を直感的に

温泉旅館ブランド「界」が2026年12月1日から、10泉質を擬人化したカード「界の温泉名刺」を全施設で提供する。温泉文化の無形文化遺産登録を見据えたプロジェクトの第二弾だ。

ニュース オープン
「界の温泉名刺」イメージ
  • 「界の温泉名刺」イメージ
  • 泉質の個性を擬人化した「界の温泉名刺」イメージ
  • 温泉分析表と裏面には温泉情報、表面には擬人化したキャラクターの温泉名刺
  • チェックイン時に渡される温泉名刺イメージ
  • 界の温泉巡りを楽しむ温泉名刺とお湯印帳の記入例
「界の温泉名刺」イメージ

星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」が、2026年12月1日から「界の温泉名刺」の提供を全施設で始める。泉質の特徴を直感的に伝えるカードで、2030年の「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を見据えたプロジェクトの第二弾にあたる。

難解になりがちな温泉分析表や泉質の特性を、「肌触り」や「温まり方」といった身体感覚に基づいて表現した。日本の主要な10泉質は、擬人化したキャラクターとして描かれている。

今回の取り組みは、ブランド誕生15周年を機に始動した「30の温泉宿、30の温泉文化」プロジェクトの一環である。第一弾の体験プログラム「温泉文化いろは」に続く施策で、温泉分析表を読み解く入り口をカードという形で用意した。

10泉質を擬人化、湯の個性を一目で

温泉名刺の最大の特徴は、10通りの泉質をキャラクターに置き換えた点だ。泉質がもたらす肌触りや温まり方などの身体感覚をもとに、個性豊かなデザインに仕上げている。

たとえば単純泉は、誰でも安心して入浴できる泉質である。あらゆる人を受け入れるおおらかで優しいキャラクターとして、温かみのあるオレンジ色で表現した。刺激的で仕上げの湯とされる酸性泉は力強さを、独特の香りを持つ硫黄泉は温泉を司るカリスマ的な姿で描いている。

2種類以上の泉質特性を兼ね備える温泉では、カード上にそれぞれのキャラクターを並べる。例として挙げられているのが「界 霧島」の硫化水素を含む単純温泉だ。複合的な成分や効能を、どんな泉質でどんな効果があるのか、視覚的に理解できる。

泉質の個性を擬人化した「界の温泉名刺」イメージ

カード裏面は数値をオノマトペで表現

各施設のカード裏面には、温泉分析表に基づく泉質濃度、主成分、効能などの情報を載せる。数値情報はオノマトペで表し、入浴時にすぐ使えるワンポイントアドバイスも添えた。温泉に親しみを感じてもらう工夫である。

「界 加賀」の例が分かりやすい。肌を整えるカルシウムイオンの多さは「さらさら」、手足の先から体の芯まで温めるナトリウムイオンの働きは「ぽかぽか」と書かれている。専門知識がなくても読み取れる構成だ。

表面の背景には、ご当地の文化や風土を描いた。加賀なら加賀獅子舞や九谷焼である。地域ならではの魅力とキャラクターが融合したデザインとなり、施設ごとに異なる一枚を楽しめる。

温泉分析表と裏面には温泉情報、表面には擬人化したキャラクターの温泉名刺

チェックイン時に手渡し、集めて巡る楽しみ

温泉名刺は、チェックイン時にスタッフの解説とともに手渡される。入浴前に泉質の特徴をつかめるので、湯をより深く味わえるという狙いがある。

ショップでは専用カバーを販売する。オリジナル手帳「界のお湯印帳」と合わせれば、各施設のお湯印と温泉名刺をまとめて持ち歩ける。全国の界を巡ってカードを集めれば、滞在中だけでなく旅の後にも湯の魅力を振り返れる。新たな温泉巡りの提案だ。

チェックイン時に渡される温泉名刺イメージ
界の温泉巡りを楽しむ温泉名刺とお湯印帳の記入例

提供概要と施設への案内

温泉名刺は宿泊者へ手渡されるカードで、泉質キャラクターの表面と、温泉情報を載せた裏面で一組になる。施設ごとにデザインが異なるため、複数の界を訪れるほど手元のカードが増えていく。専用カバーとお湯印帳を組み合わせた持ち歩き方も用意されており、リピート利用を後押しする仕掛けといえる。

提供開始日は2026年12月1日で、対象は界の全施設である。配布のタイミングはチェックイン時と案内されている。

なお、リリースによると、2026年には「界 草津」(群馬県・草津温泉)、「界 宮島」(広島県・宮島口温泉)、「界 蔵王」(山形県・蔵王温泉)の3施設が開業する。「界 松本」(長野県・浅間温泉)はリニューアルオープンを迎え、2027年には「界 嬉野」(佐賀県・嬉野温泉)の開業が予定されている。新しい施設でも温泉名刺は順次掲載される見込みで、リリースには「2030年の30拠点展開を見据え、2026年までに展開する施設から順次掲載を開始します」との注記がある。

詳細は界のブランドサイト https://hoshinoresorts.com/ja/brands/kai/ で案内されている。宿泊の予約や各施設の所在地、料金は、各施設の公式ページで確かめたい。

第一弾「温泉文化いろは」との掛け合わせ

プロジェクトの第一弾は、体験プログラム「温泉文化いろは」である。スタッフが地域の温泉文化や歴史を直接伝える内容だ。チェックイン時に配られる温泉名刺を手に参加すると、カードで捉えた直感的なイメージが、解説によって知識へとつながる。

強酸性の湯で知られる「界 草津」では、プログラム内で鉄を用いた実験をおこない、酸性泉の強さを視覚的に見せる。泉質キャラクターや効能を事前に知っておけば、その土地ならではの湯の特性をいっそう実感しやすい。直感的な理解と体感的な学びが重なり、ただ湯に浸かるだけでは得られない入浴体験になる。

第一弾の詳細は、プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002145.000033064.html に掲載されている。

「30の温泉宿、30の温泉文化」プロジェクトとは

2030年の「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を目指す動きを受け、界は始動15年を機にこのプロジェクトを発足させた。全国30の温泉地に30の界の温泉宿があり、30の異なる温泉文化を体験できる。多くの温泉地に展開している界だからこそ、それぞれの個性が光るご当地の温泉文化を提供したいという思いが込められている。

温泉文化について、リリースは次のように説明する。日本は世界屈指の温泉資源を誇る温泉大国で、古くから蒸気浴や砂湯、湯治など多様な形で温泉が活用されてきた。日本独自の「心身を癒やす伝統的なライフスタイル」として、生活に根づいている。

温泉は地域コミュニティの中心でもあり、独自の文化やアイデンティティが次世代へ継承されてきた。現在は『「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会』が、温泉につかり心と体を癒やす社会的慣習を「温泉文化」と定義している。世界に誇るべき日本固有の文化として、登録に向けた活動を進めている。

運営会社と「界」ブランドの特徴

ここでは、運営会社の概要とブランドの考え方を、リリースの記載に沿って整理する。温泉名刺を理解する前提になる情報だ。

運営する星野リゾートは、長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉2148に本社を置く。設立は1914年4月、代表者は星野佳路氏で、リゾート施設を全国で運営している。

「界」は、星野リゾートが全国に施設を展開する温泉旅館ブランドだ。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに掲げる。その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」などを通じて、土地ごとの温泉文化を楽しめるのが持ち味である。

温泉分析表は、湧出地、泉温、湧出量、成分、泉質、禁忌症と適応症、利用上の注意事項など、その温泉を知るための情報を記した分析書だ。ふだんは目を通す機会が少ないが、温泉名刺ならキャラクターとオノマトペを入り口に内容へ触れられる。

温泉文化の無形文化遺産登録を目指す機運が高まるなか、泉質を分かりやすく伝える取り組みとして、温泉名刺の広がりが注目される。宿泊の際は、チェックイン時にカードを受け取り、湯に入る前に一度目を通してみたい。

《編集部》

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