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温泉でよく見る「含鉄泉」の泉質や効能とは?

温泉は、源泉の温度や化学成分、水素イオン濃度などによってさまざまな種類に分けられます。その中でも一定の成分を含み、適応症に効果が認められる温泉を「療養泉」と言います。

用語集 効能
温泉でよく見る「含鉄泉」の泉質や効能とは?
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「療養泉」は鉱泉分析法指針に基づき、主成分によって10種類の泉質に分類されます。
こちらでは「含鉄泉」についてご紹介します。



含鉄泉とは?


含鉄泉とは、鉄を多く含む泉質です。温泉1kg中に総鉄イオンが20mg以上含まれているもので、陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。
湧出時は無色透明で、空気に触れることで鉄が酸化し、浴槽では特徴的な茶褐色となることから由来して「赤湯」と呼ばれることもあります。

含鉄泉の適応症(効能)とは?


鉄泉の効能は、一般的な適応症に加え、貧血(鉄欠乏性貧血症)に効果があります。ただ、皮膚からは鉄分は吸収されないため、飲用する必要があります。

源泉に近い無色のお湯の方が効果が高く、飲用の際には衛生状態に注意し、量は多くても200ml位までにしましょう。また、飲泉後にお茶やコーヒーを飲むと、タンニンと鉄が結びついてしまい、せっかくの効果が減少してしまうばかりでなく、口の中や歯が黒くなってしまう可能性もあるので、ご注意ください。

含鉄泉は保温効果が高いことでも知られており、体の芯からあったまるので冷え性改善にも良いとされ、リウマチ性疾患、子宮発育不全、月経障害、更年期障害などにも効果があるとされ、「子宝の湯」や「婦人の湯」と呼ばれることもあります。

また、強い殺菌作用があるとされており、外傷、慢性湿疹、皮膚炎にも効果があるといわれています。
肌の引き締め効果や弾力性を高める効果も期待できるので、美肌になりたい人にもおすすめです。
ただし、強酸性の鉄泉は乾燥肌の人には向かないのでご注意ください。

含鉄泉の禁忌症(きんきしょう)とは?


禁忌症とは、1度の浴用もしくは飲用でも身体に悪い影響を及ぼす可能性がある病気などのことで、一般的禁忌、泉質的禁忌、含有成分別禁忌があります。

一般的禁忌とは、熱があるとき、進行した悪性腫瘍、高度な貧血など衰弱が著しい場合。

重い心臓や肺の病気、重い肝臓の病気、消化管の出血や目に見える出血、慢性病の急性増悪期のときを指します。

泉質別禁忌は含鉄泉にはありませんので、一般的禁忌に注意して下さい。

含有成分別禁忌は主に飲用の場合に適用され、ナトリウムイオンの場合は塩分制限が必要な病気の場合、マグネシウムイオンの場合は下痢や腎不全の状態の場合は飲泉を避けるようにしてください。

妊娠中(安定期)や乳児の入浴に関しては、基本的には問題ありませんが、温泉の成分濃度が濃い場合は妊娠中や乳児の入浴は禁止になっている温泉もあります。

こういった場合は必ず、かかりつけの医師と現地の旅館等に確認を取るようにして、温泉を楽しみましょう。

含鉄泉が楽しめる温泉地


日本では鉄泉はあまり多くはありませんが、有名な温泉地としては、登別温泉(北海道)、鳴子温泉(宮城)、玉川温泉(秋田)、有馬温泉(兵庫)、天草温泉(熊本)などが挙げられます。

登別温泉
全国的にその名を知られる登別は、北海道を代表する温泉地のひとつ。
硫黄泉など多種類の泉質に恵まれており、地獄谷では湯煙がもうもうと吹き上がるのを見ることができます。

鳴子温泉
出羽街道の要路として古くからにぎわい、東北有数の規模を誇る。
白濁した硫黄泉が湯滝となって流れ落ちる、湯量豊富な温泉地です。

玉川温泉
八幡平山頂から秋田県側へ下って、田沢湖へ向かう途中にある東北屈指の名湯。
1ヶ所の源泉としては、日本最大の湧出量を誇り、湯治客が多いことで有名です。

有馬温泉
遠く神代にさかのぼるいわれをもち「天下一の霊泉」として名高い湯処。
江戸時代は幕府直轄の湯治場として栄えた関西の奥座敷です。
有馬温泉特集はこちら

著名人も多く訪れ、共同湯の赤褐色の含鉄強塩泉「金泉」と炭酸泉・ラジウム泉の「銀泉」は、あまりにも有名です。

天草温泉
炭鉱跡地に浸透した地下水がミネラルを含み、それを源に湧出するようになった赤褐色の温泉。
通称天草鉱泉と呼ばれ、多様な効能をもつと400年前から土地の人々に親しまれています。

含鉄泉が楽しめる温泉施設


十勝岳温泉 湯元 凌雲閣




北海道で一番高所にある源泉かけ流しの温泉旅館。
眼下に広がる大パノラマや標高1,500m以上に群生する高山植物も見る事ができます。

露天風呂は十勝岳連峰の雄大なパノラマを眺めながら、まるで雲の上でお湯に浸かっているよう。
素朴で情緒あふれる天然の岩を利用した内風呂では、透明の強酸で肌に良いと言われているぬる湯硫酸塩泉(自家源泉,にごり)と、鉄分の強い赤褐色の含鉄泉(自家源泉,にごり)の2種類の泉質が楽しめます。

お食事は雄大な十勝岳連峰の麓で豚にストレスをかけないように飼育管理された「かみふらのポーク」をメインに、地元の食材を使った和食膳。
締まりの良い肉質で、味も質も他とはひと味違うと人気のヘルシーポークです。

十勝岳の透き通った空気と日々違う姿を見せてくれる景色は、気持ちを落ち着かせてくれます。
十勝の大自然と、赤褐色の含鉄泉のお湯のコントラストをぜひ愉しんでみてはいかがでしょうか。

住所:北海道空知郡上富良野町十勝岳温泉
TEL:0167-39-4111

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有馬温泉 兵衛向陽閣




創業700年の歴史と伝統を持つ、老舗温泉旅館。
有馬温泉をこよなく愛した太閤秀吉により「兵衛」と言う名を授かり、和風の「一の湯」、洋風の「二の湯」、湯治場風の「三の湯」の有馬温泉最大級の温泉施設で名湯「金泉」を愉しむことができます。

お食事はやわらかくしっかりとした味わいの神戸牛や、明石蛸、明石鯛などの新鮮な瀬戸内海の海の幸、地元北摂丹波の採れたて野菜をふんだんに取り入れた会席料理。

老舗旅館として守り伝えた伝統と「笑顔のおもてなし」が心地よい、ゆったりと贅沢なひと時を過ごすことができるくつろぎの旅館です。

住所:兵庫県神戸市北区有馬町1904
TEL:0120-400-489/078-904-0501(代)

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湯の網温泉 鹿の湯 松屋(北茨城市)




自然あふれる里山にある「鹿の湯 松屋」は、日本では大変稀少な含鉄泉です。
まるでトマトジュースに浸かっているかのような濃い赤茶色の湯の色に、こんなに赤い色の温泉を見たことがないと、初めて訪れた人は驚きます。

成分も見た目通り濃厚で、いかにも効きそうな温泉を体験してみませんか?

昔、傷ついた鹿が湧き出る泉で傷を癒しているのも見た人が、この霊泉を「鹿の湯」と名付けたそうです。

どこか神秘的で謎めいた霊泉の存在と豊かな効能を求めて、古くから湯治場として親しまれてきた温泉地です。

源泉掛け流しの鉱泉で身体の芯まで温まり、湯冷めしにくく身体の疲れと痛みを和らげてくれます。

車でわずか7分のところに大津港や平潟港がありますので、料理は新鮮な海の幸が自慢です。

夕食には「キンキの塩焼き」が丸ごと一羽付いています。
その他旬のお刺身や季節のお野菜が付きます。宿泊でゆっくり、落ち着いた自然環境に囲まれた施設で過ごす静かな里山の夜を感じるのもお勧めです。

住所:茨城県北茨城市関南町神岡下1435
TEL:0293-46-1086

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まとめ


ただ入浴するだけでも気持ちの良い温泉ですが、泉質ごとの特徴を知れば、より効能を感じることができるかもしれません。
目的や症状に合った温泉を選んで、健康的な温泉ライフを楽しみましょう。
《編集部》

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