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温泉でよく目にする硫黄泉の泉質と効能とは?

硫黄泉とはどんな温泉なのでしょうか?基本的な泉質や効能、おすすめの温泉地の情報をまとめました。

用語集 効能
温泉でよく目にする硫黄泉の泉質と効能とは?
  • 温泉でよく目にする硫黄泉の泉質と効能とは?
温泉とは、源泉の泉温が25度以上、または鉱水1kg中に温泉法で指定された物質のうち、1種類でも規定量以上の物質が含まれているものを「温泉」といいます。

2つのどちらかを満たしていることが条件のため、25度以下の冷たい湧き水でも温泉と呼ぶことができます。

温泉の泉質は、源泉の温度やイオン名の組み合わせや特殊成分によりさまざまな種類に分けられます。
その中でも一定の成分を含み、適応症に効果が認められる温泉を「療養泉」と言います。

「療養泉」は鉱泉分析法指針に基づき、「単純温泉」「二酸化炭素泉」「炭酸水素塩泉」「塩化物泉」「含よう素泉」「硫酸塩泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」の10種類の泉質に分類されます。こちらでは「硫黄泉」についてご紹介します。

硫黄泉とは?


硫黄泉は温泉1kg中に総硫黄が2mg以上含まれているもので、全国にある温泉のおよそ8%を占め、遊離炭酸ガスや硫化水素を含まない「硫黄泉」と、遊離硫化水素や炭酸ガスを含む「硫化水素泉」に分類されます。

お湯の色は、硫化水素イオンが多く含まれる「硫黄泉」はエメラルドグリーン、ガス性の硫黄が主成分である「硫化水素泉」は乳白色である場合が多いようです。

卵の腐敗臭のような臭いは硫化水素によるもので、硫黄は空気に触れると沈殿し白濁するのが特徴。
刺激が強い泉質で湯あたりも起こしやすく、肌が弱い人や高齢者の入浴は注意が必要です。

湯の花も特徴で、末梢血管拡張や肌を滑らかにしてくれる効果が期待できます。

肌にやさしい上に保温効果・美肌効果もあるので、「美人の湯」と言われます。
ただし金属をつけると腐食し黒くなるので、アクセサリーを着用したままでの入浴は要注意です。

硫黄泉の適応症(効能)とは?


適応症としては、関節症や皮膚疾患(乾癬、アトピー性湿疹、脂漏性皮膚炎、慢性湿疹)が挙げられます。
そのほか、硫黄泉に入浴している際に水面から立ち上るガスを吸入すると痰の切れが良くなることから、硫黄泉は「痰の湯」と呼ばれることもあります。

飲泉としての適応症は耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症の改善が期待できます。

飲用量は1日100mlまでとされています。
硫黄泉の有名な温泉の一つである、川湯温泉(北海道)の飲泉には、血糖値を下げる効果があるということを、北海道大学の研究グループが発表しています。

別名「生活習慣病の湯」と言われ、高血糖、動脈硬化、高血圧などに適応しています。

肌への刺激が強いので、シャワーなどのお湯で体に付いた温泉成分を洗い流してから上がりましょう。
効果が高い分、湯あたりをしやすい温泉でもあります。

硫黄泉の禁忌症(きんきしょう)とは?


皮膚、粘膜の過敏な人、特に光線過敏症の人や、硫化水素型の硫黄泉には高齢者の皮膚乾燥症の人は避けるようにしてください。
また下痢の時には飲用は行わないようにしてください。

硫黄泉が楽しめる温泉地


有名な温泉地としては、月岡温泉(新潟県)、奥日光湯元温泉(栃木県)、那須湯本温泉(栃木県)、鳴子温泉(宮城県)、野沢温泉(長野県)などが挙げられます。

月岡温泉


美人を作る温泉として知られる月岡温泉。
温泉街には大小24軒の旅館が立ち並ぶ。美肌効果のある硫化水素泉で、街はほのかに硫黄の香りに包まれている。
硫黄成分は万座温泉に次ぎ日本で2番目に高い含有量を誇る。
硫黄泉としては珍しい弱アルカリ性であり、入浴剤と間違われるほど美しいエメラルドグリーン色を呈している

日光湯元温泉


湯ノ湖畔に約23軒のホテル・旅館があり、湯には湯の花が浮かび、温泉街には温泉地ならではの硫黄臭が漂います。
基本的に源泉は無色透明、空気に触れて酸化して白濁してきます。
緑色硫黄が含まれるため、光の当あたり方によってはコバルトブルーを呈し、日や時間によって色が違うように見えるのも特徴です。

那須湯本温泉


那須高原には大丸温泉・北温泉・板室温泉など11ヶ所の温泉地があり、那須温泉郷と呼ばれていますが、那須湯本温泉はその中で最も歴史が古く、「鹿の湯」には松尾芭蕉も奥の細道の途中で宿泊しており、開湯は飛鳥時代とも伝えられています。

九尾の狐伝説で有名な殺生石近くにあり、温泉神社を中心に温泉街を形成しています。

鳴子温泉


日本国内にある新泉質分類10種類では8種類の泉質があり、鳴子、東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つで構成されている温泉郷で全てのエリアを網羅した湯巡りチケットもある。

昔から東北の湯治場としても有名で温泉の効能や泉質の良さには定評があります。

透明の湯色でも、乳白色になったり、淡い紫色になったりと天然温泉の醍醐味を楽しめる昔ながらの素朴な温泉郷です。

野沢温泉


開湯700年以上の歴史をもつ、長野県の野沢温泉村。
日本で唯一、村名に「温泉」がつき、多くの源泉が自噴している村内には13の外湯(共同浴場)があり、江戸時代から村人たちの共有財産とされ、「湯仲間」という制度で大切に守り継がれてきました。

また、外湯は入浴だけでなく、洗濯場や台所の役割も果たし、村人たちの生活と深く結びついています。

硫黄泉が楽しめる温泉宿


万座温泉 日進舘




万座温泉は日本一の高濃度の硫黄泉です。湯量は1日540万リットルを誇り、源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。

「極楽の湯」と名称付けられた露天風呂は、硫黄泉ならではの真っ白なお湯で、なんともクリーミー。少し青みがかっているように見えます。

硫化水素の成分が濃く、見た目のクリーミーさとは異なる、少し焦げたような、どっしりとした硫黄臭が特徴です。

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401
TEL:0279-97-3131

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月岡温泉 白玉の湯 泉慶




月岡温泉は、美しいエメラルドグリーンの色をした硫黄泉です。
皮膚への刺激が強くないことが知られており、入浴後は肌のしっとり感を感じることができ、保湿効果への期待大です。

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症に効果が期待できるのではないかという事も、近年の研究で明らかになってきています。

住所:新潟県新発田市月岡温泉453番地
TEL:0254-32-1111

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箱根湯の花 プリンスホテル




箱根十七湯で標高935mと、最も高い所にある「箱根湯の花プリンスホテル」。

「硫黄地獄」のすぐそばにある「湯の花沢温泉」の源泉から引く温泉は単純硫黄泉。
乳白色のにごり湯で、ほのかな硫黄の香りが特徴的な湯冷めしにくい温泉です。

硫黄泉にしては珍しくpHは7.1とほとんど中性で、お肌にも優しい温泉です。

源泉の投入量も多く、新鮮なお湯を楽しめます。

湯温は、場所によってかなり違うので、自分の体調や気分と合わせて気持ちのいい場所を見つけ、ゆっくりと浸かることが出来ます。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯93
TEL:0460-83-5111

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まとめ


硫黄泉の色は温泉地によってさまざまですが、乳白色やエメラルドグリーンなどが多く見られます。
硫黄泉の効能と独特の香りには温泉気分も満たされ、心身ともに癒される休息時間を満喫できます。
火山の近くや大自然の中にあることが多い硫黄泉。
温泉とともに季節の景色や旬の味覚を堪能してみてはいかがでしょうか。
《編集部》

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