
コスギ不動産ホールディングス(熊本県熊本市)のグループ会社、阿蘇ハイランド開発株式会社(熊本県阿蘇市)は、複合リゾート「コスギリゾート」内の阿蘇乙姫温泉「湯ら癒ら(Yura Yura)」を2026年10月1日午前10時、リニューアルオープンする。全22室の貸切温泉を備える同施設は、事前予約システムの導入や愛犬同伴客室の新設など、利便性と快適性を高める新サービスをそろえて生まれ変わる。
「新しく、やさしく、帰ってきます。」を掲げる今回のリニューアルは、長く親しまれてきた客への感謝が発端だ。以前と変わらず、全客室に漢字一文字の室名を付ける方針は引き継ぐ。リニューアルオープンにあわせ、クラウドファンディングや特別室の利用特典、キッチンカーの出店といった記念企画も動き出す。
地震で止まった湯、同じ源泉に再び届く

湯ら癒らの湯は、2016年の熊本地震による影響が長く尾を引き、2024年12月にいったん止まった。22年にわたり愛された施設の火が消えることを惜しんだ運営陣は、憩いの場を守ろうと新たな掘削に踏み切る。掘り当てた湯脈は以前と同じ源泉に届き、今回の再オープンにつながった。代表取締役社長の小杉堅太氏は「再びここへ帰ってきていただき、ベーカリーや杉養蜂園のショップなど、コスギリゾートを丸ごと楽しんでいただけたら嬉しい」とコメントしている。
阿蘇地域は火山活動に由来する温泉が点在し、内牧温泉や垂玉温泉など個性の異なる湯が集まる温泉郷として知られる。阿蘇乙姫温泉もそのひとつで、貸切形式を軸に家族連れや観光客の日帰り入浴需要を受け止めてきた。2016年の熊本地震では県内各地の温泉施設が被害を受け、湯量の変化や休業を余儀なくされた施設も少なくなかった。湯ら癒らもその影響を免れず、2024年12月の休止に至った経緯がある。
ネット予約と愛犬同伴客室、待合室も刷新

リニューアルの柱は4つある。まず、事前にWEBから人気の部屋を予約できるネット予約システムを導入し、現地での待ち時間を短縮する。次に、愛犬家の要望に応え、ワンちゃん同伴OKの客室「湯ら癒らはなれ 香」を新設した。脱衣所にはペットケージを備え、ペット同伴でも安心して利用できる。ただし、犬自身の入浴はできない。
待合室と売店コーナーも刷新した。気分や好みに応じて選べる「シャンプーバイキング」を新たに導入し、ドリンクやアイス菓子、美容品、香水、雑貨などの売店ラインナップも拡充している。さらに「心」「姫」「寿」「命」「蛍」など一部客室では、露天浴槽や外壁を改修し、より清潔で心地よい空間に刷新した。
ネット予約システムの導入は、現地での順番待ちが課題だった貸切温泉の利用体験を大きく変える可能性がある。人気の高い露天風呂付き客室や特別室は混雑しやすく、これまでは現地で空き状況を確認するしかなかった。WEB予約なら訪問前に希望の部屋を確保できるため、遠方から訪れる観光客にとっても計画を立てやすくなるだろう。
愛犬同伴客室「湯ら癒らはなれ 香」の新設は、ペットと過ごす旅行需要の高まりを踏まえた対応といえる。犬自身は入浴できないものの、脱衣所にケージを備えることで、飼い主が入浴する間も愛犬を近くで見守れる。家族の一員としてペットを連れた旅行者が増えるなか、こうした受け入れ体制の整備は施設選びの決め手になり得る。
クラウドファンディングや特別室特典も

再開を記念した企画も多彩だ。地域還元と再開への感謝を込め、通常価格より最大約47%お得になる温泉回数券や、宿泊・ゴルフ・ベーカリーの限定セットをリターンとするクラウドファンディング「おかえり!『湯ら癒ら』リニューアル記念プロジェクト」を実施中で、目標金額は100万円、募集期間は2026年9月11日から10月31日までとなっている。入浴2回券は1口5,000円(通常約6,600円相当)、入浴5回券は1口10,000円(通常約16,500円相当)で、いずれも割安に設定した。
クラウドファンディングのリターンには、温泉回数券以外にも幅の広い商品を並べた。Kosugi Resort詰め合わせセットでは、宿泊券やゴルフ利用券、ベーカリーの人気商品を組み合わせた限定リターンを用意しており、コスギリゾート全体の魅力を一度に体験できる内容になっている。詳細ページはグローカルクラウドファンディングのサイトで公開中で、支援を通じて再開を後押しする仕組みだ。
10月中に特別室「鶴」「亀」「銀」を利用した客には、オリジナル手ぬぐいを贈る特典も用意する。加えて、2026年10月1日から30日までの期間、湯ら癒らの店舗前にコスギリゾートのキッチンカーが出店し、名物のプレッツェルなどの焼きたてベーカリー商品やホットスナック、ドリンクを販売する。湯上がりのひとときを賑やかに彩る狙いだ。
施設概要・アクセス情報

リニューアル後の施設概要は次の通り。施設名は阿蘇乙姫温泉「湯ら癒ら(Yura Yura)」、リニューアルオープン日は2026年10月1日(木)午前10時。所在地は熊本県阿蘇市乙姫2052、電話番号はコスギリゾート代表の0967-32-5500。営業時間は10時から24時(最終受付23時)で、全22室に家族風呂・貸切温泉、露天風呂付き客室、特別室、犬同伴OK客室をそろえる。施設は国道57号線沿いに位置し、熊本県内はもとより福岡県・大分県といった県外からもアクセスしやすい。
今回、以前と同じ源泉に再び届いたことは、単なる設備の復旧にとどまらず、地域の観光資源としての温泉を守り継いだ結果でもある。国道57号線沿いという立地は、熊本市街や阿蘇の観光地を結ぶ動線上にあり、ドライブの合間に立ち寄りやすい。リニューアルを機に、日帰り入浴と周辺観光を組み合わせた滞在を検討する旅行者も増えそうだ。
運営会社・コスギリゾートの背景
運営するコスギ不動産ホールディングスは1982年7月1日創業1982年創業、熊本県内で賃貸不動産の総合管理や不動産の売買・賃貸、仲介業務を手がける総合不動産会社だ。グループには商業ビル管理・仲介のジャナス、複合リゾート運営の阿蘇ハイランド開発、認知症高齢者グループホーム運営のかいごのみらい、菓子製造・販売の清正製菓を擁する。コスギリゾートは東京ドーム21個分の面積を誇る複合リゾートで、グランピングをはじめとする5種類の宿泊施設に加え、温泉、サウナ、BBQ場、ゴルフ、乗馬、ベーカリー&カフェが一体となっている。
阿蘇の温泉地としての魅力

阿蘇乙姫温泉は、ナトリウム・マグネシウム・硫酸塩を含む泉質で知られ、地元では「美人の湯」と呼ばれてきた。硫酸塩泉は皮膚病への効果があるとされ、入浴後の肌がしっとりする点が支持を集めている理由のひとつだ。阿蘇の雄大な自然に囲まれた立地もあり、観光や日帰り旅行の途中に立ち寄る客も多い。今回のリニューアルで貸切温泉の質と利便性がさらに高まれば、阿蘇観光の新たな目的地としての存在感も増しそうだ。







