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放射能泉(ラジウム泉・ラドン泉)とは?

放射能泉(ラジウム泉・ラドン泉)とはどんな温泉で、どんな効果、効能があるのでしょうか?

用語集 効能
放射能泉(ラジウム泉・ラドン泉)とは?
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温泉とは、源泉の泉温が25度以上、または鉱水1kg中に温泉法で指定された物質のうち、1種類でも規定量以上の物質が含まれているものを「温泉」といいます。

2つのどちらかを満たしていることが条件のため、25度以下の冷たい湧き水でも温泉と呼ぶことができます。

温泉の泉質は、源泉の温度やイオン名の組み合わせや特殊成分によりさまざまな種類に分けられます。
その中でも一定の成分を含み、適応症に効果が認められる温泉を「療養泉」と言います。

「療養泉」は鉱泉分析法指針に基づき、「単純温泉」「二酸化炭素泉」「炭酸水素塩泉」「塩化物泉」「含よう素泉」「硫酸塩泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」の10種類の泉質に分類されます。
こちらでは「放射能泉」についてご紹介します。

放射能泉とは?


ラドン泉とかラジウム泉とも呼ばれ、温泉1kg中にラドンが30×10-10キュリー以上(8.25マッへ単位以上)含まれているものです。
ヨーロッパ諸国では殆ど見られない泉質で、火山ガスが地下水に加わり酸性泉になるので、日本や環太平洋のエリアに多くみられます。

放射能というと人体に悪影響を及ぼすと考えられがちですが、レントゲン等の放射線量よりずっと少ない量となっています。
ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響を与えることが実証されています。

放射能は気体で湧き出した後は空気中に散ってしまうので、入浴ととも吸入するのが効果的な療養法です。

ラドンを含む「天然温泉」は、ラジウム温泉と呼ばれています。
一般的にラドン温泉とは、安全な一定の濃度に保たれたラドンガスを浴室内に送る人工温泉です。

脂肪に溶けやすいラドンは、皮膚を通して体内にとりこまれます。
皮膚からの吸収量は、浴水温度が高いほど、皮膚の血流量が多いほど増加します。

体内に吸収されたラドンは、血液に入って全身を回ります。
ラドンは脂肪が多い副腎皮質、ひ臓、皮下脂肪、赤血球などに多く集まります。
そのため、特に副腎皮質や脳下垂体の機能を強めるとされています。

また、ラドン温泉が関節リウマチや運動器疾患の患者の痛みを和らげるとされていますが、これは、ラドンが特に脂質の多い神経の髄鞘(ずいしょう)に作用するためと言われています。

放射能泉の適応症(効能)とは?


微量な放射線で細胞を刺激して、免疫作用などを活性化する「ホルミシス作用」があるとされ、鎮痛効果が研究されています。
「痛風の湯」「万病の湯」と呼ばれていますが、湯あたりを起こしやすいので、注意が必要です。

泉質別適応症は、浴用では高血圧症・動脈硬化症・慢性皮膚疾患・慢性婦人疾患によく、入浴と飲泉で痛風・慢性消化器病・神経痛・胆石、筋肉痛・関節リウマチに適応があると言われています。

放射能泉の禁忌症(きんきしょう)とは?


禁忌症とは、1度の浴用もしくは飲用でも身体に悪い影響を及ぼす可能性がある病気などのことで、一般的禁忌、泉質的禁忌、含有成分別禁忌があります。

一般的禁忌とは、熱があるとき、進行した悪性腫瘍、高度な貧血など衰弱が著しい場合、重い心臓や肺の病気、重い肝臓の病気、消化管の出血や目に見える出血、慢性病の急性増悪期のときを指します。
泉質別禁忌は放射能泉にはありませんので、一般的禁忌に注意して下さい。

放射能泉が楽しめる温泉地


有名な温泉地としては、三朝温泉(鳥取県)、池田ラジウム鉱泉(島根県)、有馬温泉(兵庫県)、玉川温泉(秋田県)などが挙げられます。

三朝温泉


伝説によれば平安時代末期の1164年に発見されたという歴史的な温泉で、2014年に開湯850年を迎えた。
源義朝の家臣が源氏の再興を祈願し、三徳山三仏寺に赴いた折に命を救った白狼が夢枕に立って、楠の老木から湯が湧き出ていることを教えたといわれています。

温泉名の由来は諸説ありますが、その一つが「三つ目の朝を迎えるころには病が消える」ことから三朝と呼ばれるようになったという謂れがあります。

池田ラジウム鉱泉


三瓶山の山麓の三瓶町池田と川合町の中間地点にある鉱泉。
泉温は19度。リウマチ、神経痛、皮膚病に効くとされている。
昭和14年(1939)の調査ではラドン含有量が世界一と公表され有名となりました。
三瓶山の山容が眺められるひなびた湯治場で、宿は1軒のみです。

有馬温泉


兵庫県神戸市北区有馬町(摂津国)にある日本三古湯の温泉。
赤茶色の「金泉」が有名ですが、無味無臭・無色透明の「銀泉」は、二酸化炭素泉と微量のラドンを含んだ放射能泉に分かれます。

トロリと濃厚な金泉に対し、こちらはサラサラとマイルドな湯ざわり。
酸味のある発泡性の二酸化炭素泉は、飲用すると炭酸の爽やかな喉ごしが楽しめ、食欲増進の効果があります。

玉川温泉


玉川温泉の温泉は無色透明ですが、pH1.2と極めて酸性が強く、源泉温度はなんと98度。

硫黄臭と微量のラジウム放射線が含まれている、非常に特徴がある泉質になります。

多くの疾患・症状に対する改善や、治癒能力の向上が期待できる「効きの湯」として親しまれています。
ただ、お湯自体にはラドンの含有量は少なく、岩盤浴地帯での北投石でのラドン岩盤浴にホルミシス効果が高いことも謳われています。

放射能泉が楽しめる温泉宿


三朝薬師の湯 万翆楼




三朝温泉はラドンの含有量が世界屈指とされています。
ラドンは身体の細胞を活性化させ、免疫力や自然治癒力を高める効果があるとされています。
また放射能泉は呼吸によって体内にラドンを取り入れることでも、効果が期待されています。

放射能泉はがんを抑制させるとも言われており、温泉療法と現代医学をあわせた治療や研究が進められていて、世界有数の温泉療養地となっています。

住所:鳥取県東伯郡三朝町山田5
TEL:0858-43-0511

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池田ラジウム鉱泉


大正4年の創業。美しい山並みで知られる三瓶山を中心とした周辺一帯に湧く温泉。
老化を防止し、寿命を延ばすとも言われるラドンの含有率は世界一を誇る。

ラジウム含有量は、なんと世界一を誇る6,460マッヘ(昭和14年調査)。温度の低い鉱泉ですが、熱を加えるとラドンが気化してしまうため、なるべくそのまま入るのがおすすめです。

住所:島根県大田市三瓶町堂原上2661-2
TEL:0854-83-2833

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湯之島ラジウム鉱泉保養所 ローソク温泉


武田信玄に追われた落ち武者が近くの洞穴に隠れ住み、温泉の泉を見つけ傷を癒したのが最初と言われる歴史の古い温泉です。

日本屈指のラジウム含有量を誇る源泉は、俗化させないため昭和58年までローソクの灯を灯していたため”ローソク温泉”の愛称で親しまれています。
全国各地より病める方々が訪れる湯治・保養目的の温泉です。

住所:岐阜県中津川市高山2200-2
TEL:0573-72-5047

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まとめ


日本に3000ヵ所以上存在する温泉地のなかで「放射能泉」はなんと数えるほどしか存在していません。
入浴・飲泉・吸引療法により体内に沢山のラドンを取り込むことで期待されるホルミシス効果により免疫力を高め、温泉のリラックス効果で日々の疲れを心身共に癒される。
そんなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
《編集部》

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